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ポーランド
BABYBOX
ポーランドに初めて設置された「ライフ・ウインドウ(命の窓)」
カリタス・ポルスカ

 カリタスとは、世界中の慈善団体や組織から構成される連合会です。カリタスはローマカトリック教会の実行団体として、草の根レベルで貧困の撲滅、正義と公平性の推進とよりよい世界の構築を目標に世界各地で取り組んでいます。
 カリタスポルスカとは、カリタスの世界ネットワークの一員です。カリタスポルスカは44もの事前団体で構成されている、ポーランド全国を網羅する団体です。カリタスポルスカはポーランド国内では医療的及び人道的なプロジェクトに携わっており、なお海外では自然災害と武装紛争の被害者の支援を中心に各種の支援活動を行っています。
 カリタスポルスカ及びその慈善団体は全国で61個の「ライフ・ウインドウ」を経営しています。ポーランド初の「ライフ・ウインドウ」は2006年3月にクラクフで開設されました。この「ライフ・ウインドウ」は、生涯命を守るために働きかけたポーランド出身の元教皇であったヨハネ・パオロ2世に讃えたものです。それ以降、カリタス及びその団体は60個もの「ライフ・ウインドウ」を開設し、2017年現在で140人もの赤ちゃんを救いました。「ライフ・ウインドウ」の開設を始め命を救う為の措置のお陰で、ポーランドにおける幼児殺害と育児放棄の件数が年々減少しています。

FACT
ポーランドの状況

 年間38万人出生、1000件の中絶、10人の幼児殺害があると言われます。10万人の孤児のうち6万6000人は里親のもとにいます。ポーランドでは地方自治体が養子縁組を管轄していますが、400ある地方自治体のうち養子縁組センターがあるのは100自治体にとどまります。毎年3500人の子どもが養子縁組を結んでいます。
 課題としては、「子どもを育てるという基本的義務を果たさない親が増える可能性がある」「母子共に危険な孤立出産の助長」「出自を知る権利を侵害する」「預けた後、母親は子どもについて情報を得られない」などが挙げられます。
 多くの人は「ライフ・ウィンドウが命を救う」と肯定的です。「ライフ・ウィンドウ」は、子どもの育児放棄や死を防ぐ現実的な方法であるとされ、否定的なものよりも肯定的な意見が社会から寄せられています。マスメディアは、新しく「ライフ・ウィンドウ」が設置された時や、赤ちゃんが預け入れられた時は注目します。

シンポジウム

※当動画は、第14回アジアヘルスプロモーション会議のPVから一部抜粋したものです。

発表者名 :Tomas Kopytowski
イベント名 :第14回アジアヘルスプロモーション会議
公演日 :2018年4月14日