セイフヘーブンベビーボックスとは、モニカ・ケルシー氏により設立された、アメリカ合衆国インディアナ州を拠点とする公益団体です。セイフヘーブンベビーボックスはインディアナ州内の消防局2ヶ所でベビーボックスを運営しています。ケルシー氏本人はレイプにより授けられ、新生児で放棄された経緯があります。それをきっかけに幼児放棄を無くすことにより、罪のない赤ちゃんの命を守る事を自分の使命としています。
セイフヘーブンベビーボックスの活動は人々にセイフヘーブン法について教育することから始まります。この法は、危機的な状況に陥った母親達が匿名で消防局、警察署、あるいは病院に新生児を託すことを許可するものです。セイフヘーブンベビーボックスが運営しているベビーボックスは、このような母親達が安全に赤ちゃんを預けられる場所です。預けられた赤ちゃんを安全且つ健康な状態で保つ為に、各ベビーボックスに冷暖房システムと救急医療機関へ知らせる無音の警報が装備されています。ベビーボックスが開けられ、中に赤ちゃんが置かれたという警報がなって5分以内に救急医療機関がベビーボックスへ到着し、中にいる赤ちゃんを預ける仕組みになっています。
また、ケルシー氏はセイフヘーブンベビーボックスの創業の他、消防局員とパブリック・スピーカーをされています。全米を始め全世界を周り、自分自身の経験、新生児の命を守る大切さ、それに母親が自分の赤ちゃんを安全に且つ匿名で預けられる場所について講演しています。
未婚の母が増加傾向にあり、婚前未婚率が1989年の12%から2016年は41.2%と上昇しています。2014年、450万人の出産の内、未婚の母の出産は160万人でした。また中絶も2016年は約893,000件ありました。
1999年に制定されたセーフ・ヘイブン法は現在、アメリカ全州において定められています。法では、安全な避難所(セーフ・ヘイブン)に、新生児を無条件で預けることを認めています。安全な避難所とは消防署、警察署及び病院などのことです。1999年~2017年、3,317人の新生児が預けられました。
安全な避難所に預けることが法で認められているにも関わらず、赤ちゃんの遺棄は続いたため、モニカ・ケルシー氏が南アフリカのケープタウンの事例を参考にベビーボックスを導入しました。
2018年現在、ケルシー氏はアメリカ合衆国50州のうち3州でベビーボックスを運営しています。「出自を知る権利」「出産した母親が治療を要請できない」という批判はあるものの、2025年までに全50州において運営することを目指しています。