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ドイツ
BABYBOX
ドイツにおける2番目に古いアガペ・ハウス(ベビークラッぺ)
アガペ・ハウス

 アガペ・ハウスとは、ドイツにおける2番目に古い「ベビークラッぺ」(「ベビークラッペ」とはアガペ・ハウスが使っている「ベビーボックス」の総称であり、ドイツで主流の呼び方になっています。)アガペ・ハウスは1995年に母子の援助を目的とする団体としてリューベック市で設立されました。2000年にリューベック市で起きた、幼児放棄による死亡事件をきっかけに、ベビークラッペを開設することを決意しました。ちょうどその時、アガペ・ハウスの創業者であるクリティーネ・ガルベ氏はハンブルグ市にあるもう一つの団体がベビークラッペを開設したという新聞記を読んでインスピレーションを受けたと言います。
 アガペ・ハウスのベビークラッペは開設以来、20人の新生児と2名の兄弟を受け入れてきました。この赤ちゃん達は、ドイツの法律上必要とされる健康診断などを受けてから、愛情溢れる養親に元へ行きます。アガペ・ハウスは、ベビークラッペは匿名出産(母親が完全に匿名で赤ちゃんを出産しそのまま養子縁組へ託す仕組み) 及びと内密出産 (母親が自分の個人情報を記入し封筒に閉じてから、赤ちゃんを出産しそのまま養子縁組へ託す仕組み)と共に、出産と育児で悩んでいる母親達に救済の手段を与えると信じています。
 また、アガペ・ハウスはトラウマを受けた赤ちゃんへ言語療法及びベビーマッサージを通じて治療を行います。預けられた赤ちゃんが自分の経験により受けたトラウマとストレスを克服せきるよう、アガペ・ハウスのスタッフは赤ちゃんの声を聞き、何があったのかを説明した上、周りにどれだけ愛されているかを伝えたり、ベビーマッサージで知覚入力を与えたりします。

FACT
ドイツの状況

 ゴミ箱やゴミ捨て場の中に赤ちゃんが遺棄される事件が何度も起こったことをきっかけに、2000年8月、最初のベビーボックスをシュテルニパルクが設置しました。現在ドイツには93個のベビーボックスがあり、2番目のベビーボックスをガルベ・フルーデリケ氏がリューベックに設置しました。
 青少年福祉当局は正確な統計を発表していませんが、リューベックでは2000年8月以来、20人の新生児が預け入れられています。預け入れられた赤ちゃんは、リューベック市の青少年福祉当局より、養子縁組家族の元に託されます。子供がなく、養子縁組を希望する家族が多いのが現状です。
 ドイツでは「匿名出産」できる病院があり、妊娠中の女性に対して情報を提供したり、アドバイスを提供したりする医者・福祉団体・教会が多くあります。また、2014年には「内密出産」制度が始まりました。
 課題は、政治家がベビーボックスの必要性を理解していないことですが、今後も匿名出産と内密出産、ベビーボックスの共存を訴えていく考えです。

シンポジウム
発表者名 :Friederike Garbe
イベント名 :第14回アジアヘルスプロモーション会議
公演日 :2018年4月14日