「2人の羊飼い」を意味するディヴィー・ガーニとは、多分野で活躍するラトビアのコンサルタント会社です。ディヴィー・ガーニはこれまで、主に医療の分野で数多くの偉大な成績を残しています。
ディヴィー・ガーニは2007年にラトビア初のベビーボックスの設置プロジェクトを担当しました。チェコ共和国のオロモウツ市に開設されたベビーボックスの成功例を基に、ディヴィー・ガーニは大手の医療企業、複数の病院、ラトビア政府等の協力を得ながら、2009年9月にリガ市内の病院でベビーボックスを設立しました。ベビーボックスの開設の目的は、新生児の命を守ること、育児放棄を考えている親の支援ネットワークを設置すること、生みの親が自分の子供を育てる為のサポートシステムを確立すること、及び家族計画についての公開議論を唆す事でした。2018年にはベビーボックス協賛パートナーやマスメディア及び施設のための地方での会議及びワークショップの開催や、エルガワのベビーボックス再開、ベビーボックスのメンテナンスを予定しています。
2006年、新生児の遺棄が相次ぎ、2009年9月、製薬会社ゲデオン・リヒターがラトビア初のベビーボックスをリガ小児臨床大学病院に設置しました。現在、8つのベビーボックスがあり、43人預け入れられました。ベビーボックスに預け入れられた赤ちゃんは、孤児院ではなく厚生省の管轄の下、養子縁組されますが、産みの親は、預け入れして6カ月以内は赤ちゃんの返還を要請できます。
ラトビアでは教会関係者の意見が社会的に重要視されています。ベビーボックスについてはラトビア福音ルーテル教会の幹部が議論の末、理解を示しました。また、全国紙、地方紙、インターネット及びテレビなどマスメディアを通して、定期的に情報を公開しています。政治家は協力的か中立的か、どちらかの立場でしたが、ベビーボックス設立までに、ラトビア内大臣のサポートを得ることができました。行政も小児病院へのベビーボックスの設置を認め、他の場所へ設置する協力もしてくれるようになりました。全てのベビーボックスが自治体に認められており、警察、孤児裁判所、厚生省及び相談電話ボランティア(NGOや個人)が協力してくれます。赤ちゃんを預け入れる前の段階で、母親を精神的にサポートするため、ベビーボックスの外側には24時間年中無休の電話相談の案内を掲示しています。預け入れされた赤ちゃんには、最初の記憶ボックス(赤ちゃんの服、注意書き、おもちゃ、赤ちゃんの情報、新しい両親への手紙)が与えられます。2015年、預け入れられた子供が産みの親を円滑に見つけられるよう、厚生省及び保険省の管轄により、子供の情報を保有するシステムを構築しました。
今後の課題は、技術的な問題の解決やベビーボックスのリニューアル、記憶ボックスにかかる費用負担など資金サポートが必要です。
当初ベビーボックスについて様々な意見がありましたが「子供の命を守るべき」という声が世論もマスコミも多くなりました。