スイス母子救済団体は(SAMC) とは1998年に創立したスイスの慈善団体です。SAMCでは、妊娠または出産が原因で困難に陥った母親、カップル及び家族に対して支援とアドバイスを提供します。SAMCは他の慈善団体や組織と協力して子どもの命を守ります。同時に、危機的な状況に置かれた母親の方へ匿名の相談所、支援事業とベビーボックスを運営しています。
更にSAMCは緊急相談センターを運営しています。このセンターで、スイス中へ24時間のプロフェッショナルによるアドバイスと救済を提供しています。危険が高いと判断された場合、SAMCは母子の安全を確認する為に直接に母親と子どもへ救済を行います。
SAMCはドイツのベビーボックスに影響を受け、2001年にアインジーデルンの病院でスイス初の「ベビーウィンドウ」を開設しました。(「ベビーウィンドウ」とはSAMCが使っている「ベビーボックス」の総称であり、スイスで主流の呼び方になっています。)このベビーウィンドウを開設した目的は、育児放棄の件数を防ぐこと、危機的状況に置かれた母親達へ救済の道を作ること、それに尊い命を大切にするシンボルを作る事です。
人口の30%は外国人なので、移民団体のWebサイトにベビーウィンドウの情報バナーを設け、10カ国語に翻訳されています。
「母親は危険な孤立出産をしなければならない」「出自を知る権利」などの批判はありますが、国民の92%は賛成しています。スイス連邦政府は、ベビーウィンドウが違法であるという見解を表していました。ところが、アインジーデルンが所在する州の政府は、命を守るものとしてベビーウィンドウを強く支持しており、閉鎖する事に反対しました。そのお陰でSAMCが開設したベビーウィンドウの運営が続いており、合計13 人もの赤ちゃんを預けてきました。現在、スイスで8個のベビーウィンドウが開設されており、そのうち6つをSAMC財団が設置しました。合わせて21人の赤ちゃんが預け入れされました。