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ドイツ
シュテルニパルク

 シュテルニパルクは1990年に設立されたドイツの有限会社です。シュテルニパルクは、いくつかの保育園と幼稚園が力を合わせて一つの団体を作ることを決めたことをきっかけに作られた団体です。現在、シュテルニパルクは様々な施設を運営しています。主な施設は保育園、幼稚園、森の幼稚園、家族旅行用の別荘、青年の為の社会的支援、スイミングスクール、問題お抱えている親と子どもの為の緊急宿泊施設、ファミリーセンター、それに「ベビークラッペ (赤ちゃんの創口)」などです。(「ベビークラッペ」とはシュテルニパルクが使っている「ベビーボックス」の総称であり、ドイツで主流の呼び方になっています。)
 シュテルニパルクは世界初の現代的なベビークラッペを開設した団体であると正式に認定されています。シュテルニパルクは、危機的な状況に置かれた妊婦の方と母親の方に対して「24時間無料相談ホットライン」「3個のベビークラッペ」及び「妊婦・母親支援及び匿名出産サポート」のサービスを提供しています。「24時間無料相談ホットライン」では、母親たちが育児に関するアドバイスやサポートを受けたり、止むを得ない場合に赤ちゃんの引き渡しの準備を行ったりできます。「3個のベビークラッペ」では、母親が匿名で赤ちゃんを安全かつ愛情にあふれる施設へ預けることができます。万一預けてから8週間以内に母親の気が変わった場合、無条件で赤ちゃんを取り戻すことが出来ます。「妊婦・母親支援及び匿名出産サポート」では、妊婦と新米の母へケアとサポートを提供したり、要求された場合に匿名出産のサポートなどを行ったりします。シュテルニパルクはこの諸サービスを通じて48人もの赤ちゃんの命を救いました。

FACT
ドイツの状況

 1999年、ハンブルクで4人の赤ちゃんが遺棄される事件をきっかけに、2000年4月、初のベビーボックスがシュテルニパルクの幼稚園に設置されました。同年6月には2つ目が設置され、12名の赤ちゃんが預けられました。
 2000年以降、52名の赤ちゃんが預けられ、そのうち、15名の母親が8週間以内に連絡してきて、子を引きとりました。ハンブルクの2つのベビーボックスに2000年~2018年、約50名の赤ちゃんが預け入れされ、ドイツ全土では268名預け入れされました。ベビーボックスの設置以降、赤ちゃんの遺棄が減ったと言えます。
 2000年、初めての匿名出産(医療機関で個人情報を提示することなく出産)実施しました。これまで540名の母親が匿名出産を行い、そのうち27名が出産後、個人情報を明らかにし、230名の母親が子を引き取りました。
 2013年には、内密出産についての法律が可決し、2014年、施行されました。「危険な孤立出産」の助長、「出自を知る権利」などの批判はあるものの、75%以上の人がベビーボックスに賛成しています。

シンポジウム

※当動画は、第14回アジアヘルスプロモーション会議のPVから一部抜粋したものです。

発表者名 :Katrin Hinz / Gabriele Kaufer
イベント名 :第14回アジアヘルスプロモーション会議
公演日 :2018年4月15日